ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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人格荒廃03

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私は友達が多いか、少ないか、で言えば恐らく多いほうだったと思います。(自称)


特定の仲良しグループに偏るわけでなく、わりとどんな人とも隔たりなく友達をつくるタイプでした。


大学生になると、交友範囲は広がっていきました。地元の友達、バイト仲間、サークルの友達…遊びの誘いもそれなりにありました。

 

 

でも、パチスロに目覚めて以降、友達との遊びを断ったりキャンセルすることが多くなりました。


友達との約束より、パチンコパチスロの時間を優先するようになったからです。


例えば、地元の友達がメールでこんな感じの話を持ちかけます。


友達「明日空いてる?久し振りにあいつが帰ってくるからドライブしようよ」

俺「おお、いいね。行くよ!」

友達「多分夜八時くらいだけど、近くに来たら連絡するわ」

俺「オッケー」


…当日。


午前中、暇があったので「午後5時までパチスロやって、それから家に帰って待てばいいや…」と考える。


午後一時。調子良く出てる。


午後二時。まだ続いてる。


午後四時。出玉が飲まれて0枚になる。


時計を見て、もともと帰ると決めていた時間だと気づくが、「あと一時間やろう。それで帰ろう」と考える。


午後五時。
現金投資。二万円負けている。


「二万も負けたら今月何もできないじゃん…でもここで出てもだいたい一時間で止めないといけないのか…どうしようかな」と考えながらダラダラ打ち続ける。


午後六時。
現金投資。三万円負けている。


「ヤバい…銀行の残高あといくらだっけ…一万…一万もあったっけ…取り戻さないとやばい…(何がどうヤバいのかもわからなくなってる)」


ここで、友達から着信が入ります。


「あ…結構早いな。。」


でも、パチンコ屋で電話に出ることはできません。友達は私がパチンコをやってることを知りません。


「無視しよ…」


五分後に別の友達から着信があります。


…無視します。


次に、さっきの友達からまた着信があります。何回か鳴って切れると、今度はメールが来ます。面倒臭いと思いながら片手で携帯を開きます。


友達「着いたんだけど!」


また無視。そこから何件か電話が鳴って、数分くらい何もなくて、そのあとまたメールが届きました。


友達「ごめん!出発するわ!」

 



パチスロをやりながら片目で携帯を見ますが、この「ごめん!」という文字を見ただけで物凄い安心感がありました。罪の意識が一気に引いていきます。


私は安心してパチスロを打ちながら、片手間で、あとで友達に送る弁解のストーリーを考えます。


「あーごめん!今日は本当ごめん!バイト先に呼ばれてさー、ちょっと手伝うって話だったんだけど…」


突然バイト先に呼ばれ、ちょっと手伝うはずが、ずっと拘束されてしまった。
自分の意思とは無関係。不可抗力。


途中で連絡も入れられなかったの? バイト行く前に事前に遅くなるかもと事前連絡しなかったの? …と、穴だらけのストーリーですが、自分なりに信用される確信はありました。


それは、自分がいままでに蓄積してきた「キャラクター」という財産があるからです。


斎藤は嘘を付く人間ではない。斎藤は助けを求められたら断れない。


友達は、まさか私がパチスロにハマってるとは知りませんから、ある程度適当な理屈でも信じてくれる、という自信もありました。


「またあいつ来るけど遊ぼうよ」

「同窓会あるよ」

「あいつ二浪して大学受かったんだよ、サプライズパーティー開くから絶対来て!」


友達は熱心に誘ってくれましたが、


「実は昨日から体調が悪くて。インフルエンザかもしれないから、ごめん、今日は断らせて欲しい」


「テストの点悪くて補習が入ってしまった。最悪…。ごめん、ちょっと間に合わないかも」


その都度思いついた言い訳をして、ほとんど誘いのすべてを断りました。断ってパチスロをしていました。


連絡手段には必ずメールを使いました。


メールは、嘘つきにとって最高のツールです。


相手の顔が見えないので、自分が傷つくことがありません。罪悪を感じることもありません。申し訳ない表情をつくるという煩わしさ、演技の労力も必要ありません。


適当にそれっぽい文面を考えて、送信ボタンを押せばすぐにストーリーを押し付けることができます。


電話がかかってきても、絶対に出ませんでした。口調、声色、周りの音。メールより誠意は伝わりますが、労力的に嘘付きにはあまり好ましくない。


…そんなことをしているうちに、だんだん、誘いの頻度が少なくなっていきました。