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金欠の時にもパチスロが出来る

「借金ってこんな簡単なんだ…。」

キャッシングをしたときの第一の感想です。

もちろん、恐怖感と後悔はありました。

「ついに自分は一線を超えてしまった…」

恐らく、家族にも、私の友人にも、借金をしている人はいないでしょう。

小学校、中学、高校からいままで生きていて、自分が借金をする男になるだなんて、思いもしませんでした。

「ま、まあ、いいよな、返せばいいんだし…」

借金をしたという事実は胸の奥にずっしりと居座り、得体の知れぬ不安感に襲われました。

でも、だからといって、手にした一万円を返そうとは思いませんでした。

「これで金欠のときにもパチスロができる」

「親や兄弟に無心するという屈辱的な行動をしなくても、金のことは自己完結できる」そう思いました。

この頃、居酒屋のバイト（回数はだいぶ少なくなりましたが）と、日雇い派遣のバイト、毎月の小遣いで、収入は月額１０万近くありましたので、一万円であれば、返済は余裕と考えました。

（まあ、冷静に考えれば、１０万円の収入があるにも関わらず、身だしなみへの最低限のお金も掛けず、毎月の銀行残高も０円なのに、返済が余裕なわけないのですが…）

その金を、兄からの借金返済にまわすとまた無一文なので、パチスロを打って増やそうと考えるわけです。

借金をした結果のギャンブルは、これまでにも増して最高にスリルがあり、そのときは７万円の大勝ちをすることができました。

「予定がある日のパチスロや、こういう、使ってはいけないお金でやるパチスロはなんで勝てるんだろうな～」

能天気にそんなことを考えてました。

ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。