ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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脱ギャンブルの試みも空しく…

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脱ギャンブルの試みも空しく…

 ATMとパチンコ屋をダッシュで往復しているときは「まあ、なんとかなるだろ」と思ってました。「いざとなれば、親を頼ればいい」そう思ってました。


限度額最後の一万円も、あっさりコインサンドに飲まれていきました。


帰り道、また我に返り、また深い後悔に襲われます。


「また負けちゃった、バイトで稼がないと…もうやめよう、パチスロやめよう…」

 

 

夏休みは終わりを迎えました。ゼミのために大学に行くと、スーツ姿の学生を多く見かけました。


それと同時に、多くの大学生にとって、再び活気のある日常が戻ってきました。


キャンパスを見渡せば、オシャレをして、女性と楽しそうに会話している学生。スケボー片手に仲間と大笑いしている学生。留学生と軽快に英会話している学生…


私は、自分だけ、どこか別の空間にいるような感覚に襲われました。


身体がふわふわと浮いていて、自分の意識は自分とも周りとも隔離されてしまったような感覚…脳が現実逃避したがっているからなのでしょうか。


気持ちは正常ですが、後頭部がズキズキします。いままで避けていた現実を、また直視してしまいました。


「俺はこの2年半、何をしていたんだろう? なんで借金なんかしてるんだ? なんで大学に行かずにパチスロしてるんだ? なんで昼飯を食べる金すらない生活をしてるんだ? …俺は取り返しのつかないことをしているんじゃないか? 何故パチスロをやめないんだ?」


自分に問いかけますが、そんなことはいつものことです。どんなに自分を責めようと、どんなにやめますと神に誓っても、やめられません。理屈じゃないのです。


また、変な汗が出てきました。その日は人と会うことが突然怖くなり、ゼミに行かず、帰りました。

 

禁パチ的なことは、いろいろ試しました。


・現金しか持ち歩かない

要は、キャッシュカード、クレジットカードがあると残高0円になるまで引き出してしまうので、だったらそもそも持ち歩かなければいいと。

これは、ダメでした。現金が0円になれば、結局ダッシュで自宅に戻り、ガムテープでガチガチに固めたキャッシュカードを解いてでも金をおろしてしまいました。


・ゲームセンターのパチスロで我慢

これもダメでした。それどころか、逆効果でした。金がないときにやると、ますますパチスロを打ちたくなり、パチスロでお札をすべて失うと、貴重な小銭までも消えていくようになってしまいました。

まあ、根底には金が欲しいという理由があってパチスロしてるわけで、ゲーセンのメダルが増えたところで、虚しくなるだけでした。


・携帯の待ち受けに「パチスロ禁止!」とデカデカと書く。

パチスロをしないと書いたメモ帳を財布に忍ばせておく。

こんな精神論みたいな方法でやめられてたら、今頃、私はこのブログを書いていません。


…これは禁パチの一例に過ぎません。周りの学生は就職活動に向けて自己分析をしてましたが、私はその頃「何故俺はパチスロをやめられないのか?」と不毛な自己分析を続けていました。

 

翌月、私宛に届いた明細には「ご請求額50,764円」の文字がありました。


手持ちの金は8000円ほど。


身体中から汗が引いていきました。