ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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初めて借金の「延滞」をする。

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初めての方はこちらからどうぞ…

gambling-addiction.hatenablog.com





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初めて借金の「延滞」をする。

【03.以外はコンプリート】

03. あなたがギャンブルをする事によって周りから白い目で見られる事がある。

 

返済能力のない人間がする借金は、即ち「欲の前借り」に過ぎないのだということは、実体験を通じて知ったことです。


その場の欲望を満たす代償に、将来使えるはずのカネの自由を奪われます。


借金は返済という義務も発生するため、借りたカネは、必ず期日までに、請求された金額を、準備しなければなりません。


私はこの月、初めて「延滞」をします。


**

「お疲れさん。君、明日もだよね。よろしく」


看板持ちの仕事についてとやかく言う権利はないのですが、これはなかなかキツかった…仕事の「成果」がよく見えてこないのです。


弁当にゴマをかける。ブリの照焼きがのっていた鉄板を洗う。ベルトコンベアを流れる本を仕分ける。ペットボトルのキャップにオマケを取り付ける。来場者にアンケートを取る。通過する車の数を数える…


それらの仕事は、人間が手を動かして、結果、モノが完成したり、キレイになったり、数字が動いたりします。


看板持ちは、「何もしないことが仕事」のようなもので、平日にマンションを観に人が殺到するわけでもなく、そもそも人が通過しても客か通行人かわからないので接客要素があるわけでもなく、ひたすら忍耐を要求される仕事でした。


さらに時間不確定で「見回りをする」と言われた以上、下手なことはできません。


とおりすがる「ワゴン車」の数を数えたり、鳥の数を数えたり、脳内で作曲してみたり、一人でしりとりをしてみたり、「無」になってみたり、ひたすら暇潰し策を考えましたが、五分間が一時間に思えるくらい時間が長く感じられ、私にはあまり向いてない仕事でした…。


それと、必ずしもスーツ着用ではないですが「ポスティング」もなかなかハードな仕事でした…


紙袋に何千枚もチラシを入れて、決められたエリアのポストにガンガン突っ込んでいきます。


団地などがあればいいですが、一軒家ばかりのエリアにあたるとなかなかチラシがさばけず、荷物が減らず、苦行でした。(選挙前に、政治家のチラシを配ったのは経験として面白かったですが…)


**

「斎藤さん。お待たせしました。3日分、16,650円です」


日銭を要求する人が並ぶ派遣会社のカウンターで、私は3日分の給料を手にしました。


「これで、明後日の支払い日までに返せる…」


2日前にパチスロで三万円勝ったので、合わせて四万強と、親からの小遣い三万円を足して計七万円。返済は余裕です。


しかしバイトの入ってない翌日、朝起きて思いました。「今月乗り越えたら、今度こそ就活するぞ! あ、だけど、しまったな…返済を終えて携帯代を支払ったら、残金一万円もないな…そんな手持ちじゃ就活できないよな。。」


プルルルル…プルルルル…


そんなことを考えているときに派遣会社から着信がありましたが、それどころではないので電源ボタンを連打して切りました。


「…よし、パチスロで増やそう!」


脳にスイッチがはいりました。


「あと二万円、いや、欲を出すのはよくないな、一万円だけでも勝てれば、1ヶ月分の運賃や昼食代も賄えるぞ!」


プルルルル…プルルルル…


派遣会社側は電波が切れたと思ったのか、また電話がかかってきましたが、再び電源ボタンを連打して切りました。


仕事なんてしている場合じゃありません。私には、すぐそこに掴むべき夢があるのです。


「頑張った自分へのご褒美も込めて! よし、2日前の運がまだ続いていて、今日も勝てる気がする!」いつものパチスロ用の安っぽい、地味な服装に着替え、自転車を飛ばします。


**

-10,000円


「一万円失ったところで、携帯代の支払いが遅くなるだけで全然大丈夫!」


-20,000円


「まだ大丈夫、携帯が2日間ぐらい利用停止になるだけだし」


-30,000円


「ま、まだ大丈夫…また親に小遣いの増額を要求して、四万円貰えばいいや…」


ここでボーナスに当たり、7,000円分のコインを得られました。ボーナス後のAT当選はなさそうで、やめるならいまのタイミングです。


「このままだと-23,000円か…ダメだ、これだと親に増額要求しなきゃならない…せめて-20,000円までいかないと…」


台移動して、別の台に投資します。


-35,000円


「あれ、ダメだ、ダメだ、いまいくら負けてる? 何回ATMに行った? 一回、二回…あれ、まさか-35,000円…? ヤバいヤバい、2日後返済日だよ? わかってるの?」


-40,000円


「あああああああああ、ダメだって!いまいくら手元にあるんだっけ…一万、二万…えっと…」


結局、閉店間際まで粘って、-55,000円でした。閉店時間近くで人がまばらになったホール。視界の隅で台のネオンがチカチカ光っています。


物凄く汗をかいていました。


右手の指はコインの汚れで真っ黒でした。顔中が、油汗でねっとりしています。


遠くで、ボーナス消化中の音楽が聴こえました。


「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう…」


借金を返せません。確信しました。今月は絶対返せない。


就活なんかろくにしていないくせに、何故か、就職への不安もよぎりました。「延滞者」「ブラックリスト入り」なんかになれば、少なくとも金融業界なんかは無理なのではないか…