ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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偏差値という相対的なものさし。

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偏差値という相対的なものさし。

「久し振り!」


「おー、元気してた?」


6ヶ月振りに親友の佐伯(仮)と会いました。


この時期、私はほとんどの交友関係を絶っていましたが、彼とは高校時代からの仲で、不定期にもなんとか会っていました。


「やべー、今月のピッチ代二万円超えた!!」


ケータイの前身であるPHSが出始めたころ、彼とは毎日のように1日30回くらいショートメール(いまのCメールのようなもの)をしたり、たまに電話をすればバカ話が止まらず、2時間くらいぶっ続けで通話をして、次の日学校で会えばまた延々と喋り続けられるような関係でした。


「……就活のことで悩んでいてさ、たまには飲まない?」


佐伯はメールで私にそう聞いてきました。


「お、いいよ。うまくいってないの?」

「うーん、なんかね」

「そっか……場所どこにしようか」

「あ、連続メールでごめん、ちょっといまお金がないからさー、隣駅のあの居酒屋にしない?」

(私はうっかり、安い場所を指定するのを忘れていました)

「了解、じゃあ20時で!」


**

半年前、大学の帰りに、地元のマクドナルドで佐伯と話したとき、佐伯が「就活はなかなか厳しそう」と言ったことを思い出しました。


「俺の大学のレベルだとさあ……あくまで噂だけど、大手の説明会に参加できなかったりすることもあるらしいよ?」


高校時代と変わらず、佐伯はLサイズのポテトをつまみながら話しました。


「うそだあ、そんなの都市伝説っしょ」

「まあ噂だっていうからね…ああでも、そうでなくても俺はあまりこれといって取り柄ないし、就活怖くなってきた…」

「ハハ、ビビりすぎだって!佐伯なら絶対うまくやれるよ」

「いやー、どうかなぁ……」


就活、上手くいってないんだ。就職先、見つからないのかな。私はそう思いました。


**

ところで、
私は「偏差値」が好きです。


単に学力を測るものさしとしての偏差値ではなく、ある集団において相対的な優劣を決めるという、その概念がとても好きなのです。


趣味。特技。面白さ。感性。ファッション。コミュニケーション能力。専門知識。年収。学歴。容姿。身体能力。


偏差値45の人間でも、偏差値30の人間の集団にいればきっとヒーローになれるでしょう。


逆に、偏差値60の人間でも、偏差値70の集団にはいれば、落ちこぼれになることだってあります。


……誰に教わったわけでもなく、私はいつのころからか、そういうふうに人や集団を見る傾向がありました。


**

私と佐伯は、対等に笑い、対等に喜び、対等に悲しみながらも、その裏には常に上下関係があったように思います。

「森田、さすがだなぁ」

「森田はやっぱりすごいね」

「森田、本当うらやましい!」

勉強も運動も得意でなく、そういう自分にコンプレックスを抱いていた佐伯にとって、それらすべてが彼より「相対的に」優っていた私は、常に尊敬の念を持たれていました。