ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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翌々月、私はブラックリスト入りをします。

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翌々月、私はブラックリスト入りをします。

翌々月、私はブラックリスト入りをします。


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私が母親に講じた手段は「無言」でした。行為行動の説明を一切省き、相手を不安にさせる。


足繁く就活に行っていた偽装をやめました。常に黙ってどこかにいく。一切就活のことを口に出さなくしました。目を合わせなくなりました。会話をよそよそしくするようにしました。笑顔をぎこちなくしました。あれ、最近どうしたんだろう。あまり調子がよくないのかな。いつも笑顔を絶やさない私に慣れた母親は、当然ながらそう感じているはずです。


もちろん、いきなり無言になるのは不自然なので、ゆっくりと、時間をかけてそのようや状態に持ち込みました。

 


「皿、洗っといた」

「風呂洗っといた」


もちろん手伝いは欠かしません。カネという見返りがあると思えば、そんな労力などたいしたことありません。親からカネを貰うというのは、どんなバイトよりも高効率で安易な調達手段でしたし、何よりカネの価値を薄く感じることができました。

はじめは逆でした。親のカネでパチスロをして負けたときは罪悪で一杯でした。こんなクズに育ってしまってすいません。嘘をついてすいません。しかし、過酷な日雇いバイトをして1日実質5000円くらいの稼ぎに絶望してくると、その考えは変わりました。「そもそも、俺を立派に育てて社会に出すことが親の役割だろ? 子どもを育てるにはカネが必要だ。だから子どもにカネを供給するという行為は、あくまで親としての義務を果たしただけに過ぎない」既に成人している私は自らこのような倒錯を刷り込んでいきました。


使ってはいけないカネで挑むギャンブルというのは格別のスリルがあります。しかし、臨時収入で挑むそれもまた、無上の興奮を味わわせてくれます。他人のカネというのは、所詮相手がどんなに苦労をして稼いだカネであろうと所詮他人のカネでしかありません。重度のパチスロ依存者となった私に、そのありがたみを噛み締めろというのが無理な話なのです。棄てるようにコインサンドにカネを投入する私は、「まだ余裕で負けられる」「俺は金持ちなんだ」「俺はこんな短時間で何万円ものカネをスッてしまう狂った奴なんだ」と自己陶酔していました。


「母さん、今日、小遣い日だよね」


「ああ、はいはい、三万円ね」


「ありがとう」


いつもよりよそよそしく、陰のある表情をつくって私は3万円を握りました。