ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

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自宅へのコール。

 

勝った瞬間がないわけではないんです。


最期の勝負。一時的に、手持ちの一万五千円が、二万三千円くらいになったときがありました。でも、そこでやめようとは思いません。こんな重要局面でさえ。


二万三千円までいけたのなら、せめて元本割れしない八千円だけ勝負すればいいのに、結局はゼロになるまで打ち続けます。


まるで、ゼロになって、自分がどうなってしまうかを楽しんでいるかのように。

 


人間誰しも、自己破壊本能みたいなものが備わっているんでしょうか? それとも、私のような重度ギャンブル依存者特有の症状なのでしょうか。

あるいは、これは破壊ではなく、行きつくところまでいって、どうしようもなくなって、誰かに気付いて欲しいとする気持ちがそうさせるのでしょうか……


**

21歳。大学4年。
9月**日。


自分で用意できたカネは3万円でした。


親から小遣いを貰いました。
3万円でした。


あわせて6万円。


3万円足りません。


親から小遣いを増額してもらうことはやめました。格好つけたかったのか、情けなさからなのか、恐怖からなのか。理由はよくわかりません。

優先順位が明らかに間違っています。「カネを借りたら返さなければならない。」そんな子供でもわかることも、判断がつかなくなっていました。


私が思い描いていたプランはこうでした。


いつもの「テクニック」を使って限界まで振込み日を引き延ばし、その間にバイトをして、残りの3万円を稼ぐ。


こんな状況なのに、こんな緊張感のない、ありきたりな手段しか思いつきませんでした。考えることがとにかく苦痛で、1日1日、とにかく考えることから逃げていました。


「森田様。入金が確認できませんが」


「あれ、すいません、さっき振り込んだんですけどねぇ。確認できませんか?」


「かしこまりました。それでは、改めて確認させていただきます」


「森田様。入金が確認できないのですが」


「えっと、あれ、すいません、昨日振り込んだって言いましたけど、私の勘違いでした。いまちょっと諸用ですが、終わったらすぐ振込みますので」


その日のバイトの帰り、母親から「金沢さんという方からお電話あったわよ。知り合い? またかけ直すって」と告げられました。


『クソッ! しまった、電話線抜き忘れた……でも以前より確認の時期が早い気がする。これって俺が信用されてないってことか、腹が立つな』
(誰がどうみてもこんな奴を信用しないだろう)


「うーん、なんだろ、全然知らない苗字だなぁ。この前新宿で変なアンケートに答えちゃったから、まさかその関係かな? どうしてもっていうから答えたんだけど。無視していいよ、怖いね」


ここは陰を見せず、明るく答えました。


「そんなん、無視しなきゃダメよ。相変わらずひとがいいんだから」母親は苦笑いしていました。


翌日ー