人格荒廃02
「ああ…だから行く前に、やめとけばよかったって言ったじゃないか…どうしよう。。来週水曜日まで65円しかないや…今度はあれを売ろうかな…」
所持金ゼロになるまでパチスロをした日は、深い後悔に襲われました。
当時は閉店までいることはなかったのですが、だいたい時間にして22時頃。
それまで熱がはいっていた頭が急に冷えていきます。
冷静に考えます。
何を売って、いくら収入がはいって、どの予定をキャンセルしなきゃいけないか。そんなことを考えながら、下着まで煙草の臭いが染み込んだ身体で、電灯がぼんやりと点いた暗い道を歩きました。
でも、どんなにお金を使い込んでも、どんなに後悔しても、泣くことは絶対にありませんでした。
いままで致命的なミスを犯したことがなかったからです。
お金がなくなれば、誰かが助けてくれました。ヘラヘラ笑って、嘘をついて、予定をキャンセルするなり、親にお金をせびるなりしていました。
だから、自責の念にかられながらも、きっと俺のことをどこかで誰かが助けてくれる、俺は助かる。そう思ってました。