ギャンブル依存症患者が綴るノンフィクション。

自戒の念を込めつつ、15年間に渡る「ギャンブル依存症」の悲惨な経験を赤裸々に綴ります。こんなダメ人間にはならないで下さい。毎日更新しています。

偽装工作と近づく破綻…

偽装工作と近づく破綻…

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「五万円…そうだよな、そうだった、五万円借りたもんな…」


何故だかよくわかりませんが、「五万円」の数値は四万円のときより何倍ものインパクトがありました。


請求は二週間後。
冷静になって計算します。


手持ち現金 2,300円。
売れるもの 0円。


もう何もありません。


先月も何もありませんでしたが、今月は先月以上に何もありませんでした。


手持ちの現金が少なく、いざというときの金さえなく、さらに借金返済を迫られている状況。


「生きている」という気がしません。頭の中は、カネのことでいっぱいです。


カード会社に苛立ちすら覚えました。「なんでこんな資産も定職もない奴に金貸すんだ?」(完全に見当違いな怒り)


こんなときに限って、日雇いバイトで痛いエピソードがありました。


「派遣会社◯◯の東出と申します。斎藤さんですか…明日、空いてますか?」


「はい。空いてます」(お、仕事か?)


「明日、千葉駅で9時~17時、工場内軽作業、日給6,500円、8時半千葉駅改札集合の案件があるのですが、可能ですか?」


「やります」(あぶねー、明日バイトないから助かった…)


「ありがとうございます!ではメモのご用意を…カクカクシカジカ…当日はリーダーが点呼します。どこそこが集合の目印です。よろしくお願いします」


「よろしくお願いします」(この前もバックレたけど、よくまた俺に声をかけるよなぁ…まあこちらとしてはありがたいけど)


当日早朝、ガラガラの電車に乗っていると、派遣会社から電話がありました。


「おはようございます。すいません斎藤さん!急遽、お客様の都合でお仕事がなくなってしまいまして…」


「は?」


「本当に申し訳ありません。本件の給与に関しては、待機料として2,000円お支払いしますので…」


「え、いや、もう向かってるんですけど…」


「すいません…」


「……」


何度もバックレてる手前、何も言い返せませんでした。しかも現地到着は集合時間に5分遅刻のペース。


なんとなく、直感ですが、本当に仕事が突然なくなるわけがなく、もともと多めに人を集め、私は補欠要員だったのでしょう。無事、人が集まったので、切り捨てられた、と。


ちなみにこの派遣会社は当時「超ブラック」として有名でした。上記と同じような手段を使われた人もいたようです。しかしそこは仕事の紹介量は圧倒的に多く、私はそんな派遣会社からの紹介に頼らざるを得ませんでした。


**

その月、返済日の前日、たまたま日雇いバイトで稼いだ金でパチスロに勝ち、親への小遣い増額要求をせずに済みました。


母親は、私に三万円を渡すとき、こう言いました。


「最近結構夜遅いみたいだけど、就職活動は大丈夫なの?」


…「就職活動」。この言葉を聞くと、親に殺意が芽生えました。


「いい大学に進学したんだから、いい就職先に行けることを期待してるわよ」完全に被害妄想ですが、私にはそのように聞こえました。


『俺はいま就職活動どころじゃねぇんだよクソが!お前がいい大学に行けと期待したから俺はあんなに頑張ったのに、結局大学なんてなんも得ることがなく、いま散々な目に遭ってるじゃないか!』


それでも極端に気が小さく、親にすがることでしか生きていけない私は、そんな意味不明な理屈で激昂しても心に思うだけで、親の前では「うん、最近セミナー行ってるよ」とにっこり笑いながら応えるのでした。


でも、借金があるので(返済が終わってもすぐに限度額一杯まで借りてしまう)、いざ冷静になっても「本当に就職活動やらなきゃ!」とは思えませんでした。


「最近、嘘も適当になってきてるのかな…まずいな、せめてスーツを着て何かするフリをしないと…」


私は「就活してるような偽装工作はどうすれば可能か」に考えを巡らせていました。

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