借金と加速する依存性02
追加
「10. ギャンブルのためにお金を借りた事がある」
「17. ギャンブルのせいでよく眠れない事がある」
「18. 心の葛藤、失望、ストレスなどを感じたとき、無性にギャンブルをしたくなる」
初回の頃にもお話しましたが、ギャンブルは「すぐに快楽が得られる」ことにおいて、遊戯としてとても優秀です。
思えば、依存症になる対象のものって、第一条件にそれがある気がしますね。
アルコール、麻薬、買い物、パチンコパチスロ…
私は大学3年になりました。
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しかし、単位は28/44。
春休み明けのキャンパスではこんな会話が交わされます。
友達1「単位どうだったー?」
私「いや、まだ結果見てないけど、どうだったの?」(あまり言いたくないだけ)
友達1「俺は40だったー、ひとつ落とした!やっぱ心理学の単位は噂どおりかなり厳しかったなー」
私「へー(すげー…)」
友達2「俺はフル単だった」
友達1「おー、すげーな」
修得可能単位をすべて取れたことを「フル単」と言いますが、周りは昔から勉強する癖がしっかり身についている人たちが多く、基本的に「フル単」を狙います。
友達1「森田も、早く結果見てみたほうがいいよ。端末ですぐ見れるから」
私「お、おう、そうだね」
友達1「うわー、もう3年かー。今年から就活しなきゃなんねーのか、やだー!」
友達2「社会人になれる気がしねー」
必修科目で一緒のクラスだった友人(というより知人に近い)は、別にガリ勉というわけではありません。でも、単位はしっかり取っています。
周りの格の違いを垣間見て、私の心臓はバクバク鳴ってました。冷や汗が止まりません。
『え、うそ、みんなそんなに取れてんの!?2年間で単位が60代って、実は相当やべーんじゃねーの…?』(卒業単位は128)
そこに、お調子者の吉田(仮)が加わりました。
吉田「みんな何集まってんの?って、単位の話か!俺やべーんだよ、30しか取れなかった…」
みんな、「ええマジで?ヤバイじゃん」とか、「まあ別になんとかなるっしょ」とか、ワイワイ楽しそうに話してます。
きっと誰もが、このなかで私が一番単位が取れてないなんて思わないでしょう。
私も吉田と一緒に笑いながら、早くこの話題が過ぎて欲しい、と切に願っていました。
**
1日の講義が終わったあと、はずれにある校舎の端末で、成績表を出力しました。
「可」
「可」
「可」
「良」
「可」
「優」
「優」
「可」
「可」
「可」…
(優>良>可)
愕然としました。
単位数もさることながら、中身も壊滅的だったのです。
「あれ、俺ってヤバいんじゃないの…?」
私は「一念発起で大学に受かった」だけで、日々コツコツと勉強をするタイプではありませんでした。
…にしても、そこまで悪い成績というのは、小学生から遡って過去に経験がありませんでした。
「俺はちゃんと勉強してたのか?親にどう説明しよう…」
成績表を見る手が震えます。
でも、振り返れば、試験勉強というのはほとんどしてませんでした。
講義も6割くらいしか出てなかったので、サークルの真面目な友達からノートを借り、3日前くらいに勉強しただけでした。
あとは、バイトかパチスロをしてました。
私はいままで以上に努力をしない人になってしまったのです。
そして、友達が言った不穏な言葉が頭によぎります。
「就活-」
大学入学から2年間、前半以外はほとんどパチスロに惚けてた気がします。
そんな私が社会に出ることができるのでしょうか。面接で何か発信することができるのでしょうか。
働きたくない、
と強く思いました。
「働きたくない。俺はどこかで俺の才能を認められて、芸術家として食っていくんだ…」
いま思えば狂気としか思えませんが、本気でそんなことを夢想していました。
その日、私はパチスロをしました。
現実から目を背けるために、パチスロをしました。